胎児の聴覚と生後の聴感覚~音と音楽に関する私的ノート・2

●胎児期に刻まれた原初の音の記憶  これは夏真っ盛りのとある湖での夕陽が沈み、間もなく漆黒の闇に移ろうとする間際の光景です。人はこうのような明から暗への転換に、ある時は命の無常を感じ、またある時は切ないほどに明日がまた来ることを祈ったに違いありません。  その時心の状態によって、夕陽は激しく音を立てて沈んでいくようにも感…

続きを読むread more

音について~私的ノートから1

●私たちの音の原点  初夏のとある島の朝の風景です。周囲を赤く染めながら山の峰を越えて上ってきた太陽が、雲の層の向こうから海に金色の光の帯を投げ掛けています。そこに、朝の漁から帰った小舟が小刻みに体を揺らし、乾いた響きのエンジン音で規則的なリズムを刻みながら通り過ぎていきます。  ここには、実際の音は船のエンジン音と、岸に寄…

続きを読むread more

音楽を愛する友へ

●音楽を愛する友へ  かねてから不思議に思っていることがあります。それは音楽が大好きだという人のなかに、再生装置にはこだわらない、ある程度のものでいいじゃないか、という気持ちの人がじつにに多いことです。作曲家や演奏家にもそういう意見の人たちが多いのです。  しかし、音楽は生(なま)で聴くよりも、CDなどの録音メディアを再生して聴…

続きを読むread more

パーソナル空間で楽しむ“いい音”~ 注目のOlasonicの第2弾

 3月11日の東北関東大地震の被害に遭われた多くの方々に心からお見舞い申し上げます。 こういう時期ではありますが、どんな困難も人はこれを乗り越えていかなければなりません。みんなで心を1つにして、これからの復興にあたらなくてはなりません。頑張りましょう。 ●さて、かなり時間が経過したのですが、今の時点でまだこのページの新しいBiglob…

続きを読むread more

はじめに音ありき。

 私は、今、新しいオーディオの原稿の取り組んでいます。完成は少し先になるのですが、その原稿のために考えていることを、そのまま同時進行で読んでいただくことにしようと思っています。  今、頭のなかで育ちつつあるのは「はじめに音ありき」という言葉です。新約聖書のヨハネによる福音書に、有名な「はじめにロゴスありき」という言葉があります。この…

続きを読むread more

このオーディオページは2月22日まで続きます

●不滅のオーディオのために(続)  今入手できるスピーカーから、私の好きな製品を、大小1点ずつあげてみました。イタリアのソナス・ファーベールの2モデル、「クレモナM(上)」と「ミニマビンテージ(下)」。木の良さを活かした入念な造りは感動的です。そして、もちろん、そのしなやかな音質とまろやかな音色も絶品。それぞれの製品についての…

続きを読むread more

このブログは間もなく終了しますが、オーディオは永遠に不滅です!!

 今年初めての記事になります。もう告知があってご存じの方もいらっしゃるでしょうが、このオーディオのブログも、正式には昨年12月が最終回でした。しかし、2月中旬まではこのページにアクセスできるようですから、私は何回か書こうと思っています。 ●不滅のオーディオのために  ビッグローブの中で、新たなページを始めるかもしれません。また、私自…

続きを読むread more

オーディオと“ざわざわ”! 今年最後のご挨拶

 今年も押しつまりました。月末から次の月初に変わる、毎月繰り返していることなのですが、やはり1年の区切り感は格別です。子どものころは、文字通り「もういくつ寝るとお正月」と指折り数えて新年を待ったものです。  この1年、あれこれ思いつくままにお話してきましたが、予想以上に多くの方々にご愛読いただき感謝に堪えません。今日は1年の締めくくりに…

続きを読むread more

番外緊急提言~20世紀が誇るべきもの、それがオーディオだ!

 12月もこの時期になりますと、今年の10大ニュースなどという恒例の記事や番組が目につきます。今日は、そういうつもりではなく、私が存命中の日本人でもっとも尊敬する人の1人である、作家の丸谷才一さんの近著『星のあひびき』(集英社)に倣って突然、妙なことを申し上げたくなったのです。そして、その趣旨を今後長く読者の皆様と共有したいと思いました…

続きを読むread more

オーディオは奥が深い~“純粋オーディオ音”志向(3)

●無機質な音の再生もオーディオの楽しみのひとつ! 『草食系男子の恋愛学』の著者、森岡正博さんが、拍手の音を真剣に聴く人の姿をみて、音フェティシズムの世界を知ったこと、そして自身もその後、無機質な物体の響きをオーディオ装置で聴く、いわゆる“純粋オーディオ音”に大きな関心と興味を抱いたことから、始まった話の3回目です。  前回は私はガラス…

続きを読むread more

オーディオは奥が深い~“純粋オーディオ音”志向(2)

●無機的純粋音の再生は、じつはそれほど難しくない 『草食系男子の恋愛学』の著者、森岡正博さんのコラムに寄りかかりながら、「純粋オーディオ音」についておしゃべりをしています。今回はその続きです。でも少し私の意見には皮肉が込められているかもしれません。純粋オーディオ音は好きですが、純粋オーディオマニア、そう呼びたくなる人がいるんです、特に…

続きを読むread more

オーディオは奥が深い~“純粋オーディオ音”志向(1)

●『草食系男子の恋愛学』の著者、森岡正博さんと、オーディオ “純粋オーディオ音”って何かといえば、音楽じゃない音をオーディオで再生した音のことです。車や飛行機の音、ガラスが割れる音、水が流れる音、何でもいいのですが、虫や鳥の声のように情緒的な雰囲気があったり、美しいと感じる音じゃないほうが、いいですね。大きな金槌で石を思い切り叩いた音…

続きを読むread more

スピーカー設計者 K.前田氏の思い出~スピーカーの再現力とは(4)

●スピーカーの表現力の自然さと豊かさを求めて 「これは使いにくそうなスピーカーだが、いい音がするかもしれない」  これが、ソニーの試聴室で初めてそのスピーカーを見て、まだ音を聴く前に感じた直感的印象でした。形は物の本質のある面を語りますからね。姿や形に惑わされてはいけない、大切なのは中身だ、という頑固な考え方の人もいますが、スピーカー…

続きを読むread more

スピーカー設計者 K.前田氏の思い出~スピーカーの再現力とは(3)

●スピーカーは最終段階のチューニングが、再現力の重要な鍵を握っている  ソニーの高級オーディオ機器を担当する部門が、その当時どのような編成になっていたのか詳しくはわかりませんが、この大型スピーカーシステム開発のときは、チームリーダーが前田さんで、その下にユニット、電気回路(クロスオーバーネットワーク)、キャビネットという分野に分かれ、…

続きを読むread more

スピーカー設計者 K.前田氏の思い出~スピーカーの再現力とは(2)

 ソニーはオランダ、フィリップスと並んで、CDのライセンスメーカーです。オーディオがアナログからデジタルに移行するなかで、ソニーのオーディオ機器も目覚ましい性能向上をみせ、プレーヤーはもちろんアンプの評価も高まっている時期でした。  スピーカーでは、ソニーは長く独特の平板振動板をもつAPM(ACCURATE PISTON MOTION)…

続きを読むread more

スピーカー設計者 K.前田氏の思い出~スピーカーの再現力とは(1)

 オーディオ機器選びで最初に決めたいのは、スピーカーです。何といってもシステム全体の中で、最終段に位置して、音を出す機器ですからね。音を出すというのは変な言い方です。正しくいえば、振動板で空気を振るわせて聴く人に、電気信号を音として知覚させる役目を受けもつ機器ということですが、 面倒くさいので、単に音を出す機器と呼ぶことにしましょう。 …

続きを読むread more

オーディオのTPO~オーディオは生活空間、生活スタイルに合わせて選んで聴く

 オーディオをもう一度始めようという熟年世代の方、そしてやっと自前でオーディオ機器を買えるようになって意気込んでいる若い世代の方も、みんな同じように困るのは、何をどのように始めたらいいのかが、他の分野と比べて分かりにくいことです。  たとえばカメラなら、使い途さえはっきりしていれば、その用途に合わせて何を選ぶかはそう難しいことはありま…

続きを読むread more

AVアンプはこう使うと効果的~AVアンプ使用の現実的な問題

 先日、あるオーディオメーカーの代表者や広報担当者と話す機会があったのですが、ここ10年ほどで2チャンネルのオーディオは本当に影が薄くなったと、しばし感慨に耽りました。今は何といっても携帯デジタルオーディオ機器をヘッドフォンで聴くのがすっかり主流になり、ついで多いのがパソコンに小型スピーカーをつないで聴くというスタイルですね。そして、ス…

続きを読むread more

AVアンプはピュアオーディオ用にも使えるか?~現実的な問題を検討する

●魅力的なオーディオ批評のために  だいぶ前のことですが、丸谷才一さんが音楽評論家の吉田秀和さんに、イギリスの作家ジョージ・バーナード・ショー(George Bernard Shaw 1856 - 1950)の音楽評についてどう思うかを聞きましたら、吉田さんは言下にこう答えられました。 「すごいよ。だってうまいこと言うもの。批評家は…

続きを読むread more

Esotericのリマスターディスク~“いい音”と“マスタリング”の関係(6)

●エソテリックのリマスタリングSACDの意義  前回エソテリックのリマスタリングSACDについて掲載したのは7月26日でしたから、ほぼ1ヵ月前になります。その後、少し寄り道をしてしまいましたが、エソテリックから8月前半に最新盤2点が発売されましたので、今日はこれを機会に後半のお話をしたいと思います。  エソテリックの新しいマスタリングよ…

続きを読むread more