パソコンをいいプレーヤーにする外付けスピーカー!

画像


 Windows95の登場以来、パソコンの普及が急加速し、それに歩調を合わせるようにオーディオやビデオから“クオリティ”志向が失われていったような気がします。世の中は、少しでも“いい音で聴きたい”“きれいな映像で見たい”から、“どこでも、いつでも、簡単に聴けたり見られたりする”ことが優先されるようになってしまった、と嘆くのは私だけではないと思います……。
 パソコンに向う時間が長くなるにつれ、そのパソコンからは“音”や“静止画、動画”が出ているわけですから、これをオーディオ、ビデオの道具として共通化できないかと考えるのは自然なことです。パソコンで仕事をする合間に、音楽を聴いたりビデオを見ることがしだいに当たり前になってくるのは当然のことですね。
 ただ、ここで見逃せないのは、1995年前後のパソコンは、あくまでもパソコンであることが第1ですから、音や映像のクオリティは必ずしも満足できるものではなかったということです。ともかく、仕事のための道具が、趣味の世界の道具を兼ねることになると、とりあえずは音が出たり、静止画が表示されたり、動画が動くだけで感動してしまうのです。私もそういう1人でした。
 かくして、趣味の世界の道具で求められていた“クオリティ”は、仕事と趣味を統合する新兵器“パソコン”の前では、もはや最重要な要件(ファクター)ではなくなったのですね。

 この時代の流れとその影響については、稿を改めることにして、今日は話を急ぎます。パソコンは適切に作れば、オーディオ、ビデオ機器として十分な能力を発揮することができます。しかし、一般的にパソコンに組み込まれているスピーカーやディスプレイ、オーディオ回路、ビデオ回路は、AVパソコンなど特別設計の製品は別にして、専用機に比べるとグレードが落ちることは否めません。そして、パソコンの構造や強度も問題になりますし、専用機に比べて電源部が貧弱なのもクオリティに影響します。
 オーディオに関していえば、まずなんといってもパソコンの内蔵スピーカーが小さくて再現力が低いのが困ります。ある程度のクオリティで音楽を聴こうとすれば、どうしても外づけのスピーカーが欲しくなります。パソコン用外付けスピーカーは、ちょっとネットで検索してみると、安いものは1,000円台から高いものは数万円、特殊なものは10万円を超えるものもあり、その数の多さと形の多彩さには驚かされます。やはり需要が大きいのですね。
 私の周辺でパソコンに向う時間が長くて、かつ音楽好きという40歳代前後から下の人たちはどうかというと、本格的に聴くときは専用の装置で、仕事の合間にはパソコンに外付けスピーカーをつないで聴く、という人がやはり多いようです。しかし、大半はあまりクオリティにこだわらず、数千円前後のスピーカーを使って、特に不満は感じないといいます。おやおや、せっかく外部スピーカーまで導入しようというのに、この段階でもクオリティ志向は薄くなっているのですね。そこを追及すると、「内蔵スピーカーよりマシならいい、という程度の気持ちじゃないですか」と軽くいなされてしまいました。トホホ、であります。
 では、私はどうかというと、どうせ聴くなら少しでも“いい音”で聴きたいと思っているので、仕事に関係のあるソフトをチェックするとき以外は、パソコンではほとんど音楽を聴くことがありません。潔くパソコンは仕事専用のものと決めているわけです。
 ところが昨日、あるパソコン用外づけスピーカーを聴く機会があり、オーバーにいうとちょっと目覚めてしまいました。なかなかいいスピーカーなのです。音の素質がいいんですね。安くて見た目も可愛らしい、若い女性にもウケそうな、という大量販売を目指して作られたものではなく、あくまでもパソコンをプレーヤーとして、いい音楽をいい音で聴きたい、という狙いが最優先されて作られているのです。ですから、ちょっと聴いただけで、おお、これいいじゃない、と心に温かいものが流れ始めるのです。
 早速、試作機を借りて自分のパソコンにつないで見たのが、冒頭の写真です。このスピーカーは、4月1日に発売される予定。さてどんなものかは、明日にでもあらためてご案内しようと思っています。