プレーヤー、アンプ一体型システム「RZ-1」

 お待たせいたしました、ボンビバンを引き継いだ新版「もういちどオーディオ」の第1回です。今後ともご愛読くださいますよう、よろしくお願いします。
 さて、年が替わっても、多くの人にとっては何がどう変わるものでもありませんが、中高年の男性なら、女性もといいたいところですが、それは追々迫るとして(?!)、今回は男性諸君に的を絞りますが、“今年こそは”と何か新たに挑戦するテーマを用意したくなるものです。
 たとえば、何気なく新聞を眺めていたらこんな写真が目に入ってきたとします。

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 こんな写真を見て、思わず膝を打ち“そうだ、今年は久しぶりにこれをやり直すか”なんて気持ちになったら、その方は男の中の男であります。しかし、“まあ、あの当時はずいぶん凝ったけれども、うん、もう卒業しよう”と思った方の今後には、寂しい倦怠の老後の日々が待ち構えております。
 もちろん冗談ですが、卒業したいと思う方もぜひこのページだけは読んでください。時々は読んでよかったと笑みを漏らすような話題も用意いたしますので。はい、乞うご期待!であります。

 ところで写真ですが、これはCDプレーヤーとアンプが一体になった製品で、インテグレーテッドミュージックシステム(Integrated Music System)「RZ-1」です。2009年12月下旬発売のホカホカと白い湯気が立ち上っているような最新モデルです。メーカーは、日本の高級オーディオ製品では世界にその名を知られるエソテリック(ESOTERIC)です。今なお日本のクラシックファンに人気の高い、イギリスのタンノイ(TANNOY)を輸入しているのもこの会社で、元々はティアック(TEAC)内の事業部でしたが、2002年に独立しました。現在、本社はティアックと同じ建物の中にあります。
 え~、オーディオ製品といえば、愛嬌のない四角い顔つきのものが多いのですが、この「RZ-1」は正面から見ると優雅な曲線が印象的です。メーカーでは「F1マシンのエアロフォルムを思わせる美しい流線型」と自賛していますが、シルバーの色合いも効果的で軽やかな感じがします。素材はアルミで、建て付けはしっかりしていますが、ガンコなイメージは少しもないし、曲線に沿って表示窓の左右にさり気なく置かれた丸い操作ボタンも、いいアクセントになっています。
 高さは77ミリの薄型。ディスクはトレイにセットするのではなく、挿入口に少し入れると静かに吸い込まれて行くスロットインタイプ。横幅400ミリ、奥行き368ミリ、重さが9kg。この1つのボックスにプレーヤーとアンプが入っているのですから、スピーカーをつなげばすぐに音楽が楽しめるわけで、オーディオ装置としては非常にシンプルなものです。
 ただ、せっかくお洒落なデザインなのですから、もう少し違った名前をつけて欲しかったと思います。「RZ-1」なんて、愛想がないし覚えにくい。これからのオーディオ機器は名前も重要です。かつて、大セールスを記録した松下(現パナソニック)のブラウン管テレビは「画王(がおう)」という変なネーミングでしたが、これが大いにウケけました。ソニーのパソコンだって「VAIO(ヴァイオ)」の名と売れ行きは密接な関係がありますよね。これらが「PAN-Az」とか「SON-PC1」という型番見たいなものだけだったらどうだったでしょうか?
 閑話休題。エソテリックの高級プレーヤーやアンプといえば、非常に凝った造りの高性能大型機器という印象がありますが、この「RZ-1」は、それらの機器に比べると、ずいぶイメージが違います。この製品には『ESOTERICハイエンドエレガンス』というシリーズ名がつけられています。高級オーディオ機器メーカーとしては柔らかい発想で作られている新しいラインです。どういう考え方なのか、次回はそのあたりからご紹介します。